実体験

グループディスカッションの具体的な進め方

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【口頭での進行提案・例文】


1. ディスカッションの全体方針

「こんにちは!お宜しくお願いします!
本日のディスカッションでは、まず前提となる現状と問題点を整理し、その後、主要な課題を抽出。最終的に、最も重要な課題を深掘りする流れにするのはいかがでしょうか?限られた時間の中で、皆さんの意見をバランスよく取り入れながら結論を出せればと考えています。」


2. 時間配分の提示

合計30分ありますので、ざっくり下記の進め方でいかがでしょうか?

  1. 個人で1分間整理
    • まず、各自1分だけ時間を取り、“現状や問題点”を簡単に箇条書きしてください。
  2. 現状・問題の共有(6分)
    • 個人作業後、お一人1分で口頭発表していただきます(6人で合計6分)。
    • 短い時間ですが、要点だけ簡潔に共有してもらえればOKです。
  3. 課題抽出(約14分)
    • 出していただいた問題点を整理し、共通する課題や優先度が高そうなものをピックアップします。
    • 何か気になる点や抜け漏れがあれば補足していきましょう。
  4. 最重要課題の深掘り(8分)
    • 抽出した課題のうち、特に優先すべき1つに絞って、具体的な対策や実行プランまで考えます。
  5. バッファ(2分)
    • もし意見が割れたら、その時は少数派の懸念を簡単に拾いつつ、最終的には最初に多数を得た意見を採用する、というルールでよろしいでしょうか?
    • ここまででまとまらない場合は、最後の2分を予備時間として使い、結論を確認・補足して終わりにしましょう。

この流れで進めてもよろしいでしょうか?」


3. 同意・役割確認

「もしよければ、私が時間の管理と簡単なファシリテーションを担当しますが、いかがでしょう?
他にこうした方が良い、というご意見があればぜひ教えてください。」


【ポイント】

  • あいさつ → 目的の共有 → 時間配分・進め方 → 確認という順序で、1~2分以内にすばやく提案する。
  • 必要に応じて、ホワイトボードやメモを使い、発言内容を見える化していくと混乱しづらい。
  • 「少数派への配慮として、懸念点をヒアリングする」などの合意を事前に取っておくと、意見が割れたときにスムーズ。

    1. 現状
    客観的な事実・状況数字(売上、コスト、数量など)や起きている出来事をそのまま記述する部分。
    ポイントは「客観性」と「具体性」。
    例:売上が昨年比20%減少、プロジェクトメンバーが3名で全員新規事業経験が少ない、ドラッグストアからクレームが来ている…など。

    2. 問題
    “現状”の中で、望ましくないギャップやネガティブな部分「放置すると困る・改善しないと目標に到達できない」という評価を伴う。
    例:「売上が想定の半分で利益が確保できない」「メンバー同士のコミュニケーション不足で戦略が固まらない」「クレーム対応が後手になりブランドイメージを損ねている」など。

    3. 課題
    問題を解決・改善するために“何をすべきか”「やるべき対応策や準備すべきこと」を端的に示す。
    例:「売上を伸ばすため、ターゲット顧客を明確にして販促施策を集中する必要がある」「チーム内で定期的な情報共有ミーティングを設定し、心理的安全性を高める」「クレームの要因を分析し、店舗指導マニュアルを作成する」など。

    まとめ
    現状 = “客観的事実・状況”
    問題 = “現状における望ましくない部分・理想や目標とのギャップ”
    課題 = “問題を解決するために必要な対応・施策・準備”
    この3つをしっかり区別して書くと、**論理的に「何が起きていて、それがなぜ問題で、どうすれば解決できるのか」**が整理しやすくなり、ディスカッションでもスムーズに進められます。

【A】ディスカッションの基本プロセス

  1. 広く意見(課題)を洗い出す
    • まずは「現状」「問題」「考え得るアイデア」を全員で挙げる。
    • 同じような意見が出たら「それは○○さんの案と近いですね」とまとめ、時間を節約。
  2. 優先度をつけ、本質的な課題を1つに絞る
    • 重要度・緊急度、会社方針や長期戦略との関連などを踏まえ、最も解決すべき課題を決定。
    • 短い試験時間では、あれこれ手を広げるより一点集中で深堀りするほうが評価されやすい。
  3. 具体的な数字・期限・担当で深堀りする
    • 目標数値: 「売上を○○%増」「導入店舗数を××件に拡大」など
    • 期限: 「2週間以内に優先店舗リストを作成」「1か月で販促ツールを導入」など
    • 担当: 「Aがドラッグストア対応、Bがデータ分析、Cがスケジュール管理」など
  4. 合意形成・最終決定の方法をあらかじめ決める
    • 多数決・リーダー裁定・両案の部分統合など。
    • もし意見が3:3で割れたら「少数派の懸念点を簡単に拾いつつ、最終的には多数を得た案を採用」など、着地点のルールを用意しておく。
  5. 最後にまとめとフォローアップ
    • 「最終結論」「役割分担」「リスク対策や次善策」を手短に確認。
    • 「施策実行後は週1の定例MTGで検証」など、PDCAを回す仕組みに触れると完結度が上がる。

【B】ディスカッションを円滑に進めるための工夫

  1. 曖昧な形容詞・副詞は具体化する
    • 「なるべく早く → いつまで?」
    • 「良いアイデア → どこがどう良い?」
  2. 反論・他者の意見の否定は避け、建設的に問いかける
    • 例: 「もし人手不足ならどう補いますか?」「コスト面はどう見ますか?」など。
    • 「こういう観点はどうでしょう?」と追加要素を提案するスタンス。
  3. 同じ意見が重複したら端折る
    • 短い試験時間を効率化するため、「それは○○さんの意見とほぼ同じですね。次へ進みましょう」などを適宜挟む。
  4. 意見が分かれたら共通点と差異を整理
    • 「両者の共通ゴールは○○だが、ターゲットがドラッグストアかコンビニかで違いがある」など。
    • そこから折衷案や試験導入のシナリオを探る。
  5. 議論が進んだらポジティブな声掛け
    • 「良い感じにまとまってきました」「かなり建設的ですね!」など。
    • チームの雰囲気を盛り上げ、意見を出しやすくする。

【C】“マネージャー試験”としての視点強化

  1. コスト・費用対効果の意識
    • ざっくりでも「予算はどの程度必要か?」「想定するリターンは?」といったビジネス判断を挟む。
    • ROI(投資対効果)の視点があると評価が高い。
  2. 会社方針・ビジョンとの整合(視座の高さを見せつける!)
    • 「高級ブランド路線を維持しながら大衆市場へ拡大する方針に合っているか?」など、経営陣の期待を踏まえた判断を示す。
    • 長期的なブランドイメージとの兼ね合いを考慮できるかもポイント。
  3. PDCA体制・フォローアップ
    • 「2週間ごとにKPIをモニタリング」「月末に部長へ中間報告」など。
    • やりっぱなしではなく、継続的に改善していく姿勢を見せる。
  4. 他部署・ステークホルダーの活用
    • マーケティング部から顧客データを借りる、広告部門と協働する、上司への定期報告など。
    • 社内外のリソースや協力を得られるかは、マネージャーとして大切な視点。
  5. メンバー育成・チームビルディング
    • 「吉田のマーケ知識を活かしつつ営業ノウハウをOJTで教える」「笹本のコミュ力を活かして店舗対応を主担当に」など。
    • 成果と人材育成を両立できる計画があると、管理職としての評価が上がる。
  6. トラブルシュート・コンフリクトマネジメント(リスクマネジメントを見せつける!)
    • 仮にメンバー同士で意見が対立したらどうするか、事前にルールを決めておく。
    • 例: 「共通点を探って再度すり合わせ、どうしても折り合わなければ上長に相談」など。

まとめ

  • 短い時間の中でも、「論点整理 → 優先度決定 → 具体策・数字 → 他部署連携→ リスク対策 → まとめ」の流れを踏むことで、ディスカッションの完成度を高められます。
  • マネージャー視点としては、費用対効果会社方針との整合性PDCA体制他部署・人材活用など、組織全体を俯瞰した判断を示せるかがカギ。
  • 最後は必ず「誰が・いつまでに・どのようにやるのか」をアクションプラン化し、「実現可能性」と「継続的な検証」を盛り込むと、試験官から「この人はマネジメントができる」と評価されやすくなります。

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