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AIがMRを駆逐する!?どうすればAI時代に適応できるのか?

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AIの進化に伴い、多くの業務が自動化されるようになった。しかし、「問いを立てる力」と「判断する力」は、いまだに人間の独自性が強く求められる分野だ。言い換えると、この分野が人間が生き残る最後の砦かもしれない。AIも問いを生成し、選択を行うことはできるが、そのプロセスには人間とは異なる限界がある。本記事では、これらの違いについて深掘りし、本質的な問いを立てる力を鍛える方法について考えていく。


1. AIと人間の問いを立てる力の違い

AIの問いを立てる能力

AIはデータに基づいて問いを生成することができる。例えば、

  • 「このデータに基づいて何を改善すればいいか?」
  • 「売上を向上させるために、どの要因が最も影響を与えるのか?」

といった分析的な問いを作ることは可能だ。しかし、AIの問いは既存のデータの延長線上にある。未知の領域や価値観を超えた問いを生み出すことは難しい。

人間の問いを立てる力

人間はデータだけでなく、直感や違和感から問いを生み出すことができる。

  • 「そもそも、この考え方は正しいのか?」
  • 「このビジネスモデルは10年後も通用するのか?」
  • 「この社会問題は本当に解決可能なのか?」

これは、データには存在しない概念や価値観を問い直す力であり、AIには難しい領域である。


2. AIと人間の判断力の違い

AIの判断力

AIは確率や統計的手法を用いて、膨大なデータから最適な選択肢を導き出すことが得意だ。例えば、

  • チェスや将棋で最適な手を選ぶ
  • 医療診断において最も確率の高い病名を推測する

このように、パターン認識と確率に基づく判断ではAIは人間を上回ることができる。

人間の判断力

しかし、「不確実な状況」「価値観や倫理が絡む判断」「感情を伴う決断」 は人間にしかできない。

  • 「どちらのキャリアを選ぶべきか?」
  • 「この部下のモチベーションをどう上げるか?」
  • 「この改革は社会にどのような影響を与えるか?」

AIはデータを元にした確率的な判断はできるが、長期的な影響や個々の価値観に基づく意思決定は難しい。


3. 本質的な問いを立てる力とは?

本質的な問いを立てるとは、単なる疑問を持つのではなく、物事の根本にある原因や法則を見抜く力を指す。

本質的な問いの特徴

前提を疑う

  • 「そもそも、このルールは必要なのか?」

根本的な原因に迫る

  • 「なぜこの問題が発生しているのか? その原因のさらに奥にあるものは何か?」

大きな視点で考える

  • 「この問題は個人だけの問題か? 組織、社会、文化の問題か?」

未来に影響を与える

  • 「この選択は、5年後、10年後にどのような影響を及ぼすか?」

異なる視点を取り入れる

  • 「この問題を全く違う立場の人(子ども、外国人、未来人など)はどう見るか?」

4. 本質的な問いを考えられるようにするコツ

本質的な問いを考えるには、以下のような思考の習慣を身につけることが重要だ。

①「なぜ?」を5回繰り返す(トヨタ式)

  • 例:「なぜMRの役割が変わるのか?」
    1. なぜ? → デジタル化が進んでいるから
    2. なぜ? → 医師が情報をネットで得るようになったから
    3. なぜ? → MRよりも短時間で効率的に情報収集できるから
    4. なぜ? → MRの情報提供の付加価値が下がっているから
    5. なぜ? → MRの存在意義が「情報提供」だけでは不十分になっているから

② 常識や前提を疑う

「当たり前」を疑うことで、新しい視点が生まれる。

  • 「MRは医師に情報提供する仕事だ」 → 「そもそも、MRは医師に情報提供するべきなのか? それが本当に最適な方法か?」

③ 逆の立場から考える

  • 医師の立場からMRの価値を考える → 「医師が本当に求めているのは何か?」
  • 未来の自分の立場から今を考える → 「5年後の自分から見て、今の判断は正しいか?」

④ 抽象と具体を行き来する

  • 具体的な問題を抽象化して考えることで、本質が見えてくる。
  • 逆に、抽象的な概念を具体的な事例に落とし込むことで、実践的な答えを導き出せる。

⑤ 時間軸を変えて考える

  • 短期的な問題だけでなく、長期的な影響を考える。

5. まとめ

✅ AIはデータに基づいて問いを生成し、確率的な判断を行うが、本質的な問いや価値観を伴う判断は難しい。

✅ 人間の問いは「違和感」「直感」「価値観」から生まれ、本質的な問題を掘り下げることができる。

✅ 本質的な問いを立てるためには、「なぜ?」を繰り返し、前提を疑い、異なる視点や時間軸を意識することが重要。

AIが進化する中で、人間が持つ「問いを立てる力」「判断する力」をどのように活かすか? これこそ、私たちが考えるべき本質的な問いかもしれない。

近い将来、MRの本質でもある ”情報提供” そのものを見直すことになると思う。

そのような環境変化に対応するためにも、AIでは物足りない”本質的な問い”を身に付けていくいく必要がある。

あくまでも、AIは”知りたい情報を取る”、というのに最適なツールなので、その前段階の

”何を知れば良いのか?”に関与できれば強いMRになれると思う。

頑張ろう。

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