なぜではどうぶん5W1HL と 分解思考の使い分け
1. なぜこのフレームワークが必要なのか?
問題解決をするとき、ただ闇雲に対策を考えても、本当に意味のある解決にはならない。重要なのは、
- 「本質的な問題(イシュー)」を見つけること
- 「最適な解決策」を導くこと
この2つを体系的に考えるために、「なぜではどうぶん5W1HL」 というフレームワークを使う。ただし、すでにイシューが明確な場合は、「分解思考」のほうが適切なこともある。
そこで、この2つの使い分けを理解し、適切に選ぶことが重要 になる。
2. なぜではどうぶん5W1HL の基本構造
1️⃣ なぜなぜ分析(Why分析)
- 「なぜ?」を繰り返し、問題の根本原因を突き止める。
- いつまで「なぜ?」を続けるか? → 解決策が考えられるレベルまで。
- 例:「売上が下がった」 → 「なぜ?」を繰り返し、最も本質的な原因にたどり着く。
- ここで重要なのは、自分の立場を考えること。 例えば課長の場合は課長の権限もしくは、一つ上の部長の視座感で考えると良い。あまりに深く掘りすぎると、「予算を多く投入する、人を多く雇う」など経営層レベルになってしまう。(ただし、現実的かつ建設的な提案であれば良い)
📌 途中で「分解」を挟むべきケース
- 問題の原因が一つに特定できず、複数の可能性がある場合
- 例:「なぜターゲット層が購入しないのか?」 → 「①広告が届いていない ②商品自体が合っていない」
- このように分岐する場合は、一度「分解思考」を入れて整理する!
2️⃣ ではどうする?(How分析)
- 「なぜ?」で特定した原因に対して、「どうすれば解決できるか?」を考える。
- 問題の本質を捉えた解決策を考える。
3️⃣ 分解(Breakdown)
- 解決策を細かく分解し、実行可能なアクションを洗い出す。
- ブレスト的にアイデアを出し、それをカテゴリに整理する。
4️⃣ 5W1H1L で実行プランを作る
項目 | 質問 | 例(セキュリティ対策の場合) |
---|---|---|
What(何を?) | 具体的に何を実施するのか? (ここで優先度を決める) 有効性・即効性・実現可能性・持続性・コスト・リスクを考慮 | セキュリティポリシーを策定 |
Why(なぜ?) | 目的・意図は? | 会社全体のセキュリティ強化のため |
When(いつ?) | 期限やスケジュールは? | 3ヶ月以内に全社員適用 |
Where(どこで?) | どこに適用するのか? | 全社適用、一部の重要拠点は先行導入 |
Who(誰が?) | 責任者・実行者は? | IT部門が主導し、各部門の代表者が協力 |
How(どのように?) | 具体的な進め方は? | 研修+セキュリティ診断+運用フロー変更 |
Level(どのレベルまで?) | どの程度徹底するのか? | 最低基準ではなく、業界標準レベルまで |
フレームワークは部下のマネジメントにも使える!
📌 ケース:「部下のモチベーションが下がっている」
1. まず「なぜなぜ分析」で原因を整理
- なぜ部下のモチベーションが下がったのか?
- 定性的な要因(上司や部長の印象)と、定量的な要因(KPIの変化)を分けて考える
- 特定のメンバーだけか?それとも全員か?
2. 次に「分解思考」で、モチベーション低下の可能性を整理
- 外部要因(市場環境、業務負荷)
- 内部要因(評価制度、人間関係、仕事内容)
- 仕事 vs プライベートの影響
3. 「ではどうする?」を考える前に、直接ヒアリングする準備 → いきなり「やる気ない?」と聞かずに、仮説を持って聞くことで会話の幅が広がる。 → 例:「最近KPIが下がってるけど、何か変化あった?」
📌 フレームワークのポイント
- フレームワークは「聞く前に整理する」ためのもの
- 仮説を持って話すことで、コミュニケーションの幅が広がる
- ただし、最終的には「直接聞く」ことが重要!
4. フレームワークは「型」ではなく「道具」
フレームワークを適用するときの注意点
- バチッとハマることはほぼない! → 状況に応じて調整が必要
- なぜなぜ分析が必ず「1本の道」になるとは限らない → 途中で「分解」が必要なケースもある
- 分解しすぎると、本質を見失うこともある → どこまで深掘りするかを見極める
- 途中で「問い」がズレることがある → 必ず「この問いを解決すれば根本的に解決するか?」を確認する
📌 フレームワークは「ツール」であり、考えるための補助装置にすぎない!
- 大事なのは「どこまで適用すべきか?」を状況に応じて判断すること。
- 「途中で違和感があれば、修正や別の手法と組み合わせる!」
5. まとめ
- 基本は「なぜではどうぶん5W1HL」!
- すでに「なぜ?」と「ではどうする?」が明確なら、分解思考からスタート!
- 「なぜなぜ分析」は1本道とは限らず、途中で分岐する場合は分解思考を挟む!
- フレームワークは完璧な正解を出すためのものではなく、思考を整理するツール!
👉 ケースごとに「どこから始めるべきか?」を見極め、柔軟に使いこなすのがカギ! 🔥
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