【性弱説を前提に仕組みを考える】
『協力せざるを得ない仕組みを作る』ことがマネージャーの仕事
なぜなら人の根底には気を抜いたらさぼっちゃうという性弱説がある
この性弱説に則って改善していく姿勢が組織をいいものにしていく
例えば、MRで言うとめんどくさくてVeevaを打たない
「Veevaを打ちなさい」と何度も言ってもあまり効果はない
どうすれば『Veevaを打たざる』を得ない環境にするか、ここを考える
【プロの登山家は◯時までに△を通過しなければ引き返すと言った絶対基準がある】
プロはルールを決めて絶対的な線引をする
そこに感情は持ち込ませない
例えば、「1つの講演会を企画する際に◯月◯日までに、この先生を役割者として呼べなければ違う先生を立てる」
というような期限を明確に定めて遵守させる
そのように明確なルールのもとで活動することで、迷いがなくリスクも軽減される
【属人化のリスク】
突出したエースが活躍するようなチームより、全体が機能的に動くチームのほうがと長期目線では強い
なぜなら、前者はエースが抜けるとチームが崩壊する可能性が高いから
特に製薬業界は移り変わりの激しい業界でもあり、その中でエース各の人は特に人事異動が多かったり、別の会社に引き抜かれる可能性が高い
なので、理想は営業順位も毎回同じ人がTOPという組織ではなく、コロコロと順位が入れ替わる状態
エースやカリスマと呼ばれる人が活躍している組織は属人化リスクに晒されている
【属人化を防ぐためにも定期的な異動は重要】
ルーティンで仕事が終わってしまうような環境は属人化の一歩手前なので、そのタイミングで異動させることで、属人化も防げて、個人としても新しい環境でのチャレンジで成長機会を得ることができる
いろいろな環境で働くことで『どんな組織でも働けて、再現性をもって結果を出すことができる』ということに期待する
【いつでも成長にフォーカスする】
新しい仕組みを入れる際は『必ず』反発が起きる
その際は『成長したい人』が成長できる仕組みになっているかどうかに焦点を当てる
そのような環境であれば、そのまま進めてよし!
恐らく反発している人は、今までの利権を大事にしたいような『成長はあまり重要視していない人』なので、そこは明確な線引をもって『成長したい人』を成長させる仕組みにしていく
【仕組みづくりの時は、線引を曖昧にしない】
例えば会議中にAさんはスマホOK、Bさんはまだ若手なのでスマホ操作はダメ、みたいにしない
その会議の話を聞くことが優先事項なのか、それとも情報収集しながら進めていくのかをハッキリと線引する必要がある
曖昧なルールはやがて崩壊し、そもそもルール呼べるものではない
【上に立つ人は主語を『私』にする】
「その決定は私は決めました」と責任の所在を明確にする
責任者が不在になっても残っているルールはただの形骸化であり、そのまま新たな責任者を明確にし、残すのか、ルールを廃止、修正するのかもマネージャーである『私』が責任をもって最終判断をする
【結局人は『自分にメリットがあるかどうか』で動く』】
なので、「活発に情報共有してきましょう!」と言ってもそれが自分にメリットを感じなければ動かない
そのために仕組みづくりをしていく
例えば、情報共有にインセンティブを付けたり、情報共有の定量化と見える化である
よく会社でも◯◯さんの成功事例という時間があるが、あれほど無駄なもはない
人の成功事例を聞いて、試そう!と思うひとはいるだろうか?
本来は「あの人ができるのなら、私もできる」「あの人の成功を真似て、とりあえずやってみよう」
となるのが大事
しかし、多くのMRは「くそ、そのやり方があったか、ならは俺は方法だ!」となる人も多いのでは?
もしくは「はいはい、すごいね」と自分のジェラシーを出して内勤TIMEになっている人もいると思う
なので、ここも仕組み化が大事
例えば、人の成功体験から学び、さらにブラッシュアップしたり再現性を持って成功した人を表彰するなど、二番煎じ、三番煎じな人をもっと認めて上げる仕組みにすればいい
この時は外発的動機付けだけでなく、その情報共有をすることの意味合いも個別に理解させる(今後のキャリアに結びつくなど)ことも効果的
ただの『成功事例の共有』には意味がない、それをしてしまうと、「むしろ違うやり方で成果を上げげて目立つぞ!」と非効率的な活動を促進してしまうだけ!
【ピアプレッシャー】
カフェで勉強や仕事が捗るように、人は周りの人に影響される
また「他の人はこんなにも仕事を進めている」と見える化すると危機感を得る
一方で人間は一人でいると弱く、逃げ出したくなる、隣で頑張っている人がいると、責任を感じることができ「自分も頑張らないと」と思える
このような同調圧力=ピアプレッシャーを上手く活用することで部下が成長できる環境作りができる
【上司は適度な距離感が大事】
また頻繁に上司が部下に連絡し過ぎると、部下が上司に対して慣れてしまし、緊張感が薄くなる
適度な距離感で見守ることが大事
【情報のオープン化】
変化している人に刺激を受けて、その周りの人たちも変化していくことが理想
なので上手く言っている人は「聞かれたことは隠さずにオープンにすること」とルール化することで、情報共有もスムーズにいく
さらにはオープンにした人と、聞いて実行した人にも評価を与える仕組みを作るとより発展的になる
やはり属人化になると、短期的には成功するが長期的には成功しづらいということ
どこかで頭打ちになるので、リーダーはそのリスクを考えて先手先手で仕組み化を図らないといけない
【リーダーの「あとは任せた」はだめ】
任せるときは『どこまでの責任と権限を任せた』のかを明確に言語化し、書いて残しておくことが必要
部下からしても、明確な権限範囲のもとで自由に活動できるので、モチベーションも上がりやすいし、権限外のことが起きてもすぐに上司に相談するという判断ができる
【良い意味での怖い人が大事】
『怖い人』というのは昭和パワハラくそ親父ではなく
・的確なフィードバックをしてくる
・求める基準値が高い
・中途半端な仕事では評価してくれない
という人
普段は優しいが、仕事になると明確な基準を持っており、部下からしても
・手を抜くと見抜かれる
・ルールを守らないと指摘されてる
・言い訳が通じない
・個人の感想と、事実を明確にされる
と思われている上司であり、こういった本質的な怖さを持つ上司がいると部下は一気に成長する
このような本質的な怖さ=危機感の醸成が必要で、会社という雇用が守られている安全地帯の中でのできるだけ追い込むことで、部下は変容認識を持ち成長に繋がる
【トレードオフの真理】
成長したくないと思っている部下に対しては、トレードオフの真理を伝える
「高い給料で、転勤もなく、好きなことして働きたい、でも成長を追い求めるようなきつい仕事はしたくない」
このような部下には、トレードオフ=何かを得るためには何かを捨てるしかない、という仕組みからは逃れられない、と理解させる
【最適な目標とは】
絶妙な危機感が大事であり、そのためには絶妙な目標を与える必要がある
この絶妙というのは、最終的には大きな目標を立てる中でも、それをブレイクダウンし常に105%の力を出し続けるような仕組みである
いきなり最終目標ばかりを示しても、あまりにも非現実的過ぎて、もっと目の前の目標に目を向けさせ、かつ一生懸命頑張らないと達成できない目標を与える
そうすることで、気付いたら本来の目標に近付くといったことが理想である
余談:セル戦前の修行期間を過ごしていた孫悟空も、修行以外の時間も常に超サイヤ人=普段から高い負荷を掛け続けることで自分のエネルギーのキャパを広げ、いざ本番のセル戦には楽に超サイヤ人になることで、体力を温存でき戦いを有利に進めようとした
じゃあいつまで高い負荷を掛け続けるのか?といった悩みがでるかもしれないが
答えとしては「成長を続けたいのならずっと」である
満足した瞬間、人の成長は止まる
ただ節目節目に自分を振り返って『一時的な満足感』を与えることで楽になることは良いこと
その満足感を味わうことで『次は◯◯に挑戦しよう』とまた成長を追い求めるはず
極めても極めて、よりいろんな景色が見えてきて、次の挑戦が見つかる
それが一生続く
常に満たされない危機感と一生付き合っていく
そういって成長していくことが人生の面白みである
そのことを頭に入れた上でリーダーは部下を導かないといけない
【競争の仕組みづくり】
常に競争環境を意識した仕組みづくりが大事
中には「私は人と比べられたくない」「人は人、自分は自分」という人もいる
ただ、やはり基準にしておくべきことは『成長したい人が基準』ということ
なぜなら前者を基準にしてしまうと、組織の成長が鈍化するからである
成長する機会を奪わないことが大事である
【降格の基準も明文化しておく】
明文化されたルールの中であったら部下にマイナス評価を与えても、納得することもあり、今後の成長に繋がる
ルールが曖昧であればあるほど「環境のせい」「評価されない意味がわらかない」となる
「この基準に達していないとマイナス評価です」とルールを明文化することで
「じゃあ次はどうしたらその基準に達することができるか?」を考えられる
降格は将来を見据えての措置
降格制度がないと『頑張らなくて良い』となってしまう
余談:まさにJリーグが降格制度があり、野球はそれがない、なので個人的に甲子園とかは好きだが、プロ野球のペナントレースは好きではない
また降格した人をサポートする必要はない、なぜならルールが明確だから
言い訳する余地を残さない仕組みを作ることで、人は負けをみとめて「次はどうすれば達成できるのか」と考えるようになる
これが曖昧なルール下だと「◯◯のせい」「◯◯さんはずるい」といった建設的でない思考が働いてしまい時間を無駄にする
【プロセスを褒めすぎない(本書では褒めない、結果しかみないと断言している)】
例えば残業をよくしている部下に「よく頑張っているね」とそのまま評価するというのは本質的ではない、なぜなら部下が「残業すれば褒めらる」と間違った解釈をしてしまうから
【組織の歯車になるべき理由】
1人で成し遂げられることは限られている
だから組織に属して大きなことを成し遂げていくのが面白い
1人でしているような仕事でも、所属している会社の看板やブランドやリソースや会社内での経験を使っているに過ぎない
だから個人ではなく組織に属しているという組織感を持つことが大事
そのためにも、本気で会社の理念やVisionに向き合って、それに沿った活動をする
中には「意識高い系」と揶揄してくる人もいるが、しっかりと目標に向かって努力している人を笑うことはダメ、何も生まない
常に企業理念を言えるようにしておき、それに基づいた活動ができる意識が必要
企業理念の腹落ちは後からやってくる
なぜなら社長から遠ざかるほど、視座が低くなるにつれて企業理念の解像度は低くなっていくから
後から「自分のやっていた仕事はこういうVisionに沿っていたのか」と腹落ちすることが多い
なので、理念を『本当の意味で浸透させる』には時間がかかり、言葉で言うだけでは意味がない
やってきた活動と調和することで、ようやく本気で理念に向き合うことができ、それができたら今まで以上に自信をもって活動ででき成長の加速にも繋がる
どうしても理念に共感できないときは転職すればいい
自分の価値観と合う理念のもと働くことも仕事の醍醐味である
理念は現場の判断まで繋がっている
理念を判断軸にすることで決断も早くできる
また組織に所属するということは、大きな仕事を成し遂げるチャンスがあるということ
MR1人でやる仕事もせいぜい座長1人、演者1人の講演会程度
組織ですると、役割者も多く、会場も立派で参加者も何百人という規模で運営できる
組織でしか味わえない、経験できないことがある
1人の人間としては小さくでも、組織ですることでとんでもないこともできる
その可能性にありふれている、まさにワクワク感
さらには組織の中の環境や指導という仕組みがあって育てられた、だからこそ、その感謝があれば自然と次は育てる側に回ろうとなるはず
それも組織の歯車になる重要な理由
個人として「できる」、「できない」を判断するのではなく、チームとしてできるのかどうかを判断する
そのことを通じて、人に仕事を任せられたり、1人では手に負えないこともできる、という感覚を覚えられる
【中間管理職がの働きが大事】
上層部から『理想的な指示』が降りてきた場合は中間管理職の動きが大事になってくる
『理想的な指示』を、本質的な内容は変えず、温度感はそのままで、部下に自分の言葉で明確な指示を出す、一方であまりにも理想的すぎて現場と乖離がある際には、上に建設的な意見を添えてスピークアップする
中間管理職が強くないと組織が強くなれない理由は、社長のカリスマ性が強く中間管理職が弱い場合、社長が交代した瞬間に組織が崩壊してしまう
中間管理職が強くなることで、持続的に強い組織が作れる
【視野狭窄には注意】
1つの部署に固執するデメリットは視野が狭くなること
一方で多くの部署を経験した人は、比較ができるので、仮に今の部署しかいない人が文句をいっても俯瞰した観点で物事を考えることができる
余談:以前、ある部署に勤めていたときに、「この組織はただのクレーマー集団だ」という認識を持ち、自分はクレーマー集団に関わらずにいれたのは、今までの多様な経験からくるものと理解できた
自分の見えている範囲のもの、自分の考えていることが100%正しいと思わない
見えていない範囲を想像して「そう言っている背景には何か事情があるのかな?」という思考を働かせ実際に聞いてみることで建設的に物事が進む
【進行感を味わい誇りを持つ】
組織がVisionを達成しようとする姿=進行感
この進行感を実感することで組織の一員であることに誇りを持てる
給料やボーナスなどの目先のメリットが本質的ではなく、組織を大きくすることを本質的な喜びにするべき
【人間は承認欲求から逃れることはできない】
社会的承認欲求満たすことが、自分の存在意義であり、その存在意義を果たすこと人生最大の喜び
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