1. 内発的動機を促す言語化
賞罰マネジメントは短期的な効果しか得られず、持続的な成果には内発的動機が不可欠。そのために必要なのは以下の3要素。
- 有能性:「自分にはできる!」という自己肯定感を持てる環境づくり
- 対人関係:周囲の協力が得られる安心感
- 自己決定性:「自分が選んだ!」という主体性
内発的動機を促す言語化の例文
- 有能性:「自分にはできる!」という自己肯定感を持てる環境づくり
- 対人関係:周囲の協力が得られる安心感
- 「一人で抱えなくて大丈夫。みんなでやるから安心して進めよう」
- 「このプロジェクト、チームでサポートするよ。どこから取り組みたい?」
- 「〇〇さんの強みを活かして、チーム全体がより良くなりそうだね」
- 自己決定性:「自分が選んだ!」という主体性
- 「どう進めるのがいいと思う?〇〇さんの考えを聞かせてほしい」
- 「どのやり方が一番しっくりくる?自分が納得できる方法を選んでいいよ」
- 「これは〇〇さんが決めていい案件。どうしたい?」
➡ マネジメントでは
「頑張ったらできる感」「周りも協力するよ」「あなたが決めること」を意識して、部下が自ら動きたくなる環境を整えることが大切。
➡ マネジメントでは「頑張ったらできる感」「周りも協力するよ」「あなたが決めること」を言語化して伝える。
2. 心理的安全性を高める言語化
心理的安全性を高めるには、相手の価値観を理解することが重要
✔ 心理的安全性 =「この場で何を言っても大丈夫」と思える状態
✔ そのためには、相手の価値観を尊重し、「自分が理解されている」と感じてもらうことが大切
→ 自分と相手の価値観がズレていると、不安やストレスが生まれやすい
→ だから、相手の価値観を言語化して整理するのが重要
価値観を言語化する方法は「私は〜すべき、なぜなら〜だから」と明確に言葉にすること
例
✅ Aさんの価値観(仕事)
「私は期限を守るべき、なぜなら信頼関係を大切にしたいから。」
「あなたも期限を守るべき、なぜなら周囲との信頼を築くために重要だから。」
→信頼関係作りに価値観の重きを置いている
✅ Bさんの価値観(仕事)
「私は柔軟に対応すべき、なぜなら状況に応じて最適な判断をしたいから。」
「あなたも柔軟に対応すべき、なぜなら変化する状況に対応することが大事だから。」
→いつだってBESTな対応をすることに価値観の重きを置いている
→ こうやって自分と相手の価値観を整理すると、考え方の違いが明確になり、対話しやすくなる。
未来志向の問いかけ「このままだとどう思っている?」
✔ 価値観をすり合わせた後は、未来志向の問いかけをする
✔ 「今どう思う?」ではなく、「これからどうなると思う?」と未来について考えさせる
例
✅ 目標設定の話をしているとき
「このままだと、どんな結果になると思ってる?」
「将来、どんなことが起きると考えている?」
✅ 部下が仕事に対して消極的なとき
「今の状況が続くと、どう感じる?」
「どんな未来なら、もっと前向きになれそう?」
→ こうすることで、相手が「自分の考え」を整理し、前向きな行動につなげることができる。
まとめると
✔ 心理的安全性を高めるには、相手の価値観を理解することが重要
✔ 「私は〜すべき、なぜなら〜だから」で価値観を言語化し表明すると、対話がスムーズになる
✔ 「このままだとどうなる?」と未来志向の問いを投げることで、相手の考えを引き出せる
この流れで進めると、相手との関係性が深まり、「何を言っても大丈夫」な心理的安全性の高い環境が生まれる 、特に価値観を示す時は「なぜなら~」とそう考えている理由を表明しないと伝わらない!
価値観が真逆だった場合の対応策
1️⃣「共通点」を探す
✔ 真逆のように見えても、「根本の目的」には共通点がある場合が多い。
✔ まずは、お互いの価値観を細かく分解し、共通する部分を見つける。
✅ 例(仕事の進め方の違い)
A:「私は計画をしっかり立てるべき、だってミスなく進めたいから。」
B:「私は柔軟に対応すべき、だって状況に応じた最適解を出したいから。」
→ 根本には「良い仕事をしたい」という共通点がある。
→ その上で、「どこまで計画を固めるべきか?どの部分を柔軟にすべきか?」 の落としどころを探る。
2️⃣「価値観を優先する場面」を分ける
✔ すべてを譲り合うのは難しいので、場面ごとにどちらの価値観を優先するかを決める。
✅ 例(意思決定のスピード感)
A:「慎重に判断すべき」
B:「スピード重視で決断すべき」
→ 「リスクが高い案件は慎重に、リスクが低い案件はスピード重視」 のように、状況ごとに適用ルールを決める。
3️⃣「違いを活かす」発想を持つ
✔ 真逆の価値観を持つ人同士は、「お互いの強みを補完し合う関係」 になれる。
✔ どちらかが100%合わせるのではなく、「役割分担」や「ハイブリッドな方法」を考える。
✅ 例(部下のマネジメント方針)
A:「細かく指示を出すべき(管理型)」
B:「自由に任せるべき(裁量型)」
→ 「新人には細かく指示、経験者には裁量を与える」 のように組み合わせる。
→ 価値観の違いを組み合わせることで、幅広い対応ができるチームになる。
4️⃣「お互いの価値観を尊重する」ことを意識する
✔ 価値観が真逆でも、相手を「否定する」のではなく、「そういう考え方もある」と尊重する。
✔ 価値観を言語化した時点で、お互いが歩み寄る余地が生まれる。
✔ 「違うからダメ」ではなく、「違うからこそ何ができるか?」を考える。
まとめると
✔ 価値観が真逆でも、「どちらが正しいか」ではなく、「どう折り合いをつけるか」が大事。
✔ 共通点を探し、優先する場面を分け、違いを活かす発想を持つ。
✔ 違う価値観を否定せず、「それもアリ」と認め合うことで、お互いの強みを活かせる。
価値観の違いは、対立ではなく、多様性の一部と捉えると、より強いチームや関係性が生まれる!
3. 伝えたいことの整理(5W1Hの活用)
一度5W1Hで整理し、抜けや曖昧な点を明確にする。
例) 「今月は、〇〇派の先生に、アポ面談で、A薬剤の有効性をパッション込めて伝えよう」
- When:今月
- Who:〇〇派の先生(具体化が必要)
- Where:アポ面談
- What:A薬剤の有効性(具体的なポイントは?)
- How:パッション込めて(どのように?)
- Why:(抜けている)
➡ 相手が「把握でき、納得でき、1人で再現できる」状態を目指す。
会議などのプレゼンでも最後に5W1HのあるTakehome messageになっているか気をつける!
4. 納得感を生み出す言語化
データだけでは納得感は生まれない。経験や実感と結びつけることが重要。
- 相手の知っているものと結びつける:「こんなデータが出ているんですよ、ほら○○と一緒ですよ」
- 納得感がない場合の質問:「何か似たようなケースはないかな?」と考える。 「え、ちょっとそれわかんないです」と言われたら、「例えばさ、~」
5. 伝え方の工夫(数字から話す)
情報を伝える際は、最初に構造を示すことで理解しやすくする。
- 例:「今日お伝えしたいことは3つあります。1つ目が〜」
- 要点を整理する質問:「重要なポイントを整理すると?」と促す。
6. リーダーとメンバーの認識ズレを防ぐ
暗黙の了解に頼らず、明確に伝える。
- 誤解が生じる例
- リーダー:「○○の件、先生にすぐ謝ったほうがいいね(直接訪問を想定)」
- メンバー:「わかりました!(謝罪メールだけ送ればいいか)」
➡ 特にリスクがある案件に関しては「○○の件、先生にすぐ謝ったほうがいいね。もちろんメールだけでなく、直接訪問してね」 と具体的に伝える。
- 「念のため」と「何のため」 を明確にし、目的を理解してもらう。
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